出向の効用

現在、入省3年目にして、親元の省庁から外務省へと出向する機会を頂いています。おそらく期間は2年間。同期を見ても、我が省は3年目という若手のうちに内閣官房や他省庁にどんどん出向させています。初めは出向というとネガティブなイメージも持っていましたが、今はむしろ非常に自分の成長に役立っていると感じます。1点目に、出向先の組織の立場から政策を考える癖がつき、視野が大きく広がることです。私自身は、現在外務省に出向する中で、外交という観点から日本の政策を見る癖がつきました。領土問題をはじめとする東アジア外交・安全保障の問題についても身近に考えるようになりましたし、JICAの方々と一緒に仕事をする中で途上国への開発支援のあり方についても日々考えるようになりました。2点目に、逆説的ですが、親元の省庁の政策を真剣に勉強する良い機会になることです。出向先では親元の省庁からの出向者として国内の経済対策や産業政策、あるいはエネルギー政策について省庁を代表して意見を求められる立場にあるため、外交・経済の両面から政策を考える良い訓練になっていると感じます。
今、人事希望を提出する時期で、海外留学希望を含め、今後のキャリアプランについて考えなくてはならない時期にありますが、私自身は、親元の省庁における業務に加え、海外留学や国際機関・在外公館勤務、官邸勤務、民間企業出向等、異質な環境にあえて身を投じ、幅広い立場から政策に関与する経験を積極的に積んでいきたいと考えています。最終的には、そうした幅広い職務経験から得られた俯瞰的・国際的な視野から、我が国の国富増大・経済成長に寄与できる人材になりたいと考えています。