残りの学生生活をどう過ごそうか

【残りの学生生活】
最近、残りの学生生活をどのように過ごそうかということばかり考えていました。ビジネス英語のスキルを身につけ、ロジカルシンキングの考え方を習得し、将来のビジネスにつながる人脈を築いて・・・なんてことを考えた時期もありました。しかし父や内定先の尊敬する先輩社員の方たちも含め、社会人の先輩方が皆一様に言うのは、「学生時代にしかできないことをやれ。」ということでした。

岩瀬大輔さんのブログの中に、大学三年生の時に読んだ記事でずっと印象に残っている記事*1があります。以下、その記事の中からの引用です。

学生時代に「色々やっておくべき」と考えることは、仕事ともっとも遠いことであるべきだ。学生の頃に就職後のことに時間を費やすほど、もったいない過ごし方はないと思う。仕事のことをかじったとしても、実務に出ればせいぜい1ヶ月くらいで学べることがほとんど。そこからは数10年間、嫌でもずっと仕事をしていくのだから。なぜこの貴重な時間を、今しかできないことに費やさないのか?

僕は採用側だったとしても、面接をして一番聞きたくない話は、ビジネスの話だろう。それよりもその人がどんなことをやってきて、どんな生き方をしてきて、どんなユニークな個性を持っているのか、それを知りたい。僕がやったことがないことをたくさんやってきて、知らない世界を知っている人の方が、よほど魅力的に感じる。


就職活動においても、目標としている有名・難関企業に受かることそれ自体を目的として、面接対策やエントリーシート対策、グループディスカッション対策ばかりに時間を費やしてきた学生は、結果も思わしくないように感じます。僕の周りを見ていても部活動や課外活動、研究、留学であったり、学生時代にしかできないことに興味の赴くままに手を出して熱心に活動していた学生が、結果として難関と言われる企業に受かっている、そういう印象があります。

この記事を二年ぶりに読んでみて、残りの学生生活は将来のキャリアのために何が必要か、何を勉強しておくべきかという視点で物事を考えるのではなく、ひたすら興味・関心の赴くまま学生のうちにしかできないことにチャレンジしていきたいと思いました。



【最近やっていること】
というわけで、最近は学生生活のうちにやり残したことがなくなるよう、何にでもチャレンジしようと思っています。
そのうちの一つがバスケです。しばらくバスケから離れていましたが、最近はバスケにもう一度真剣に取り組みたいと思っています。幸い、今三つの社会人クラブチームでプレーできている環境にあります。一つは「丸シ」という品川区一部のチームです。ここはインサイド中心のチームで上手なセンターがゴロゴロいて、センターの僕としては学ぶ点が多く本当に楽しいです。二つ目は「わたなべ」という渋谷区一部のチームで、大学時代のサークルの先輩から誘っていただきました。このチームは身長が全体的に大きくなく、頭を使い、transition(展開)の早い走るバスケを目指してやっています。センターとしては身長の低い僕にとっても、身長の低いチームがいかにして勝つかを考える上で非常に勉強になっています。三つ目は「PUGS」という横浜市のチームで、こちらは中高バスケ部の仲の良い一個上の先輩に誘ってもらいました。アメリカの大学出身の人が多く、豪快で派手なプレーをする人が多いです。何より、バスケを楽しもうという意識がチームに根付いていて、プレーしていてすごく楽しいです。

またバスケ以外では、毎年9月に開かれるTMIの海外研修のTAをやらせていただけることになりました。昨年の海外研修でお世話になったトランスコスモスの社員の方にも「是非一緒にやろうよ。」と言っていただき素直に嬉しかったです。この海外研修は、アメリカの西海岸にあるシリコンバレーを一週間程度訪問するものです。現地のベンチャー企業ベンチャーキャピタリストを訪問するのですが、そのアポ取りのほとんどを学生たちに一任しています。TAとしての役割は、引率のK先生やトランスコスモスの社員の方、TMIの事務の方と学生たちとの間に立ち、プロジェクトが円滑に進むよう積極的にコミュニケーションを取っていくことだと認識しています。充実した教育環境を与えてくれた学科やトランスコスモスの方に恩返しするつもりで、後輩たちの実りある海外研修に貢献できるよう頑張りたいと思います。



【各務先生とのお話】

5月29日(金)に開かれる東大・スタンフォード大共催の「日本のアントレプレナーシップを考える」というシンポジウムで、影山研のメンバーが学生スタッフとしてお手伝いすることになり、先日東大産学連携本部のK先生との打ち合わせがありました。その後各務先生に近くの居酒屋に連れて行ってもらい、食事をご一緒させていただきました。
K先生は経歴だけ見ると一橋大学卒、BCG入社、MBA取得、コーポレートディレクションの立ち上げに参与、東大教授・・・と華々しく雲の上の存在のように考えていましたが、非常にフランク・ざっくばらんで、偉ぶったところが全くない気さくな方だという印象を受けました。
そんな各務先生のおっしゃっていた話で強く印象に残っているのは、MBA取得者や外資系コンサルのパートナーといったビジネスエリートたちの世界の間でも、最終的には「こいつと一緒に仕事がしたいか」という好き・嫌いで物事が決まる世界だというお話でした。人から好かれることがビジネスの世界では最も重要なことであり、成功しているビジネスマンは皆人から好かれる素質があるとのことでした。もちろん各務先生自身も、僕なんかが言うのもはばかられますが、人間的な魅力たっぷりでもう一度是非お話したいと思えるような素敵な方でした。
僕の尊敬する研究室の担当教官でもあるK先生、T先生も、頭が良く知識が豊富なだけでなく、人間的魅力がたっぷりで誰からも慕われる先生であると思っています。おそらくビジネスの世界に限らずある分野で成功を収めるには、誰からも愛されるような人格的・人間的素養を総合的に高めることこそが何より重要なのだと思いました。
先ほど述べた残りの学生生活の過ごし方の話ともつながるけれど、学生時代のうちはビジネススキルを習得するということに力を注ぐのではなく、学生のうちにしかできない様々なことにチャレンジをし、人間的な魅力を高めることにこそ時間を費やすべきなのかなぁと思いました。