イノベーション・マネジメント第一回

東大生産技術研究所の野城智也先生の授業。

イノベーション(innovation)は和訳すると技術革新(新技術開発)と訳されがちだが、新技術や新製品の開発に限らない。すなわち、新制度、新市場、新ビジネスモデル、新組織の開拓などの広い範囲を対象とする。
・またイノベーションの特徴として、「新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすこと」がある。経済・社会へ何も変化・影響を与えない技術開発は、ただのinvention(発明)である。

・マネジメントは活術、すなわち知の運用術である。よってケーススタディ・ケースメソッドが重要である。しかしそもそも知識がなければ知識の運用はできない。その知識とは、(1)最新の科学・技術に関する知識、(2)イノベーションの本質を理解するための知識。この授業では(2)を扱う。(1)に関しては自分でキャッチアップする必要がある。


イノベーションマネジメントに必要な能力とは
1.想像力
イノベーションは不確実性(uncertainty)と不即不離。事前に予見することができない。よって、この技術が出現したら社会はどう変わるのかを想像する力が重要。実務を体験していない学生にとっては想像しづらいだろうが・・・
2.課題設定力
何を解くべきなのか。課題定義力(problem defenition)とも言う。卒業論文のテーマ設定で苦労した学生にはこの重要性がよくわかるだろう。
3.構成力(Integrated solution)
様々な技術的手段を組み合わせ、相互に関連付けなければ、複雑大規模な課題を解けない。だからこそ、小宮山総長の言うような「知の俯瞰化」が必要である。