Presentation, discussion and reporting

今学期は、柳沢幸雄先生のPresentation, discussion and reporting という授業を取ることにしました。柳沢先生は東大の化学工学科を博士課程まで修了した後、ハーバード大学の環境健康学科で助教授として10年ほど教鞭を取った経験があります。柳沢先生は自身の経験から、「自分の意見を表現し相手に伝える力」が日本の教育には決定的に欠けていることを痛感し、それを訓練するための授業としてこの授業を立ち上げたそうです。以下、初回の授業で得られた気付きをメモしておきたいと思います。

アメリカと日本の意識の違い】
・日本は「以心伝心」という諺にも象徴されるように、多くが互いに共通のバックグラウンドを持っているため、自分の意見を明確に表明しなくてもいいという文化がある。
アメリカでは、授業中"quiet"であることは、「自分の意見を表明できない」「知的好奇心を持っていない」とみなされる。
アメリカは多民族国家のため、日本のように互いに共通の歴史、文化、常識、バックグラウンドを持ち合わせていないことが多い。よって、自分の思考・アイディアを表現しなければならないという意識が強い。
・特にScienceをやっている人にとっては、一般には常識と考えられていない新しい知恵を作り出し伝える必要があるので、Presentationのスキルが求められる。


【Presentation,discussion】
・Discussionにおいては、既に出た意見と同じことを言っても価値がないので、後になればなるほど自分の意見を言うのが難しくなる。よって、議論では早めに自分の意見を表明した方が楽であり、有利
・良いPresentationは、皆がとっているノートが同じになるPresentationのこと。つまり、相手に自分の伝えたいことがしっかりと伝わっていること。
相手のPresentationに対し質問するということはこの上ない礼儀である。なぜなら質問するということは、相手のPresentationに対し自分の頭でしっかりと考え、知的好奇心が満たされたことを表現することだからだ。


僕自身、就職活動のグループディスカッションで、様々な意見が出尽くした後になればなるほど自分の意見が表明しづらくなった経験があります。逆に先に思い切って発言することで、議論が楽になり有利に運ぶこともありました。議論の口火を切るのは中々勇気がいることだけれど、議論を有利に進めたい場合は自分から率先して意見を表明することが重要だと改めて気付きました。
また相手の発表に対して質問をすることがこの上ない礼儀であるという考えは新鮮でした。確かに僕も、自分が発表した時に何も質問が出ずに寂しい気分になったことがあります。今後は大学院の授業や誰かのプレゼンテーションなど人の話を聞くときは、相手にどんな質問をしようか常に頭を回転させながら、能動的に聞いていこうと心に決めました。