自分をグローバル化する仕事術

著者の天野雅晴さんは、日本の大学を卒業後渡米しカリフォルニア州立大学修士号を取得、その後シリコンバレーで日米の技術者の橋渡しを行うベンチャーを起業し成功している人です。世界で最も多様化が進んでいると言われているシリコンバレーで30年間仕事をしてきた天野さんだからこそ知り得た、グローバルビジネスのルールを20項目に分けて説明してくれています。中でも特に印象的だった、コミュニケーションのルールと自分磨きのルールを書き記しておきたいと思います。

自分をグローバル化する仕事術

自分をグローバル化する仕事術

【多様化する社会】
シリコンバレーは世界に先駆けて多様化を迎えた社会。
・一方日本は単一民族で構成され、ほぼ同じ価値観を持つのが当たり前の社会であった。
・しかし日本では今後、企業活動のルールが世界標準に変わると同時に、仕事の仕方も世界共通のルールが適用されていくことは間違いない。
・多様化社会のルールをマスターした人こそ、時代の流れに乗り遅れることなく個人の価値の実現に近づくことができるだろう。


【コミュニケーションのルール】
・世界標準のコミュニケーションは、自己主張からスタートする。
・日本人のコミュニケーションは元々、同じ日本人だから口に出さなくても分かり合えるという前提があった。
・しかし多様化が進む社会では、自分の言い分を主張できない人は周囲から無視され、何の成果も報酬も得られなくなるだろう。

・会社や相手の肩書が流動的に変化しやすいため、上下関係は一時的なものとなる。
→個人同士は対等な姿勢でコミュニケーションするべきという「対等姿勢」の重要性が増す。

単刀直入に結論を述べることは、コミュニケーションの効率を上げるために有効。
単刀直入な表現には、相手から質問や意見を引っぱり出して会話を自然に促進する効果がある。


【自分磨きのルール】
・選択肢や情報量が多い多様化社会では、自分の直感力を信じ即断即決して、とりあえずアクションを起こし体感することが大切。
・無理矢理にでも自分を一次元上の「役回り」にワープさせることで、大きく成長することができる。(ワープ効果)
・いつ解雇されるかわからないといった緊張感を前向きに捉えることで、個人価値を高めることができる。
・とりあえずチャレンジして一旦自分を追い込んでしまえば、自然と自分磨きが進みステップアップすることができる。

コミュニケーションのルールが今の日本とシリコンバレーとでは大きく違う点が面白いと思いました。日本では上下関係を重んじ、また自分の意見を前面に押し出しすぎないことが美徳とされてきた面がありました。しかし多様な価値観を持つ人材が集積するシリコンバレーでは、自分の意見や主義を積極的に主張していかなければ何の価値も生み出せないということを改めて知ることができました。また年下だからといって見くびることはせず、逆に年上だからといって必要以上に物怖じせずに、対等な立場で意見を交わし合うことも大事なのだと思いました。僕自身はあまり自分の意見を積極的に主張するタイプではないですが、今後は誰に対しても対等な立場で、かつ単刀直入に自分の考えを上手に伝えられるようになりたいと思いました。
自分磨きに関しても、僕自身は新しいことを始める時に慎重になって考えすぎてしまう面があるので、直感を信じ即決で、厳しい環境にあえてチャレンジしていきたいと改めて思いました。