20代仕事筋の鍛え方

現在ベイン・アンド・カンパニーのディレクターを務める山本真司さんが、20代の若手ビジネスマンに向けて書いた本。
今就職活動を始めている自分にとっても心に突き刺さる言葉がたくさんあったので、忘れないうちに書き記しておきたいと思います。

20代 仕事筋の鍛え方

20代 仕事筋の鍛え方

【20代で鍛えるべきこと】
・成功者とは、「永遠に成長を目指し挑戦を続ける人」
・今の若い人は短期での成功、それもお金の成功を獲得しようと生き急いでいるように見える。
・一生成長し貢献を続けていくというサイクルを、一生の間に何回も何回も回しながら生きていく人生は魅力的。
・20代でするべきことは、20年先にも成長を続けられる土台、「仕事筋」を鍛えること
【成功を追いかけると成功は逃げる】
・実力を磨くことなく、自分を実力以上に優秀に見せかけるテクニックばかりに関心がいくことが一番怖い。
・短期の金の成功を目標に、自分の立ち位置(ポジション)を探し、手軽にお金儲けをすることは人間のスケールが小さくなるだけ。
・20年後がどうなるかわからないからこそ、現在の仕事を通じてどんな時代でも通用する個人のケイパビリティ、仕事能力を磨くことが大切。
【ケイパビリティの種類】
・ケイパビリティにはファイナンスマーケティング、会計などのアプリケーションスキルと、ロジカル・シンキング、ファシリテーションスキルなどのOSスキル、どんなに重いOSやアプリケーションを乗せられても動かせる力であるマシン性能の三つが存在。
・アプリケーションスキルは流行があり寿命も短い。必要に応じて学ぶか、教わればよい。
・OSスキルはアプリケーションスキルと比較すると寿命は長いが、これも変更する可能性がある。
・20代の若者がまず鍛えるべきは、10〜20年先に使える仕事身体を創るための仕事筋。
【マシン性能を磨く四つの力】
・マシン性能を磨くためには、極端力、努力力、学習力、受容力の四つが必要。
・極端力とは、一つのことに極端に集中してとことん突き詰める力のこと。
・努力力とは、どんなテーマが与えられても努力を惜しまないだけの習慣のこと。
・学習力とは、何かを新しく学ぶ時に超効率的に学習する力のこと。
・受容力とは、極端に努力した後、結果がどうであろうと自然体で現状を受け入れる力のこと。

【感想】
今の若い人は、短期でのお金の成功を獲得しようと生き急いでいる、という言葉は耳が痛かったです。僕の周りは一年目から給与の高い外資系金融機関やコンサルティングファームへの就職を志望する人が多くて、僕も就職先として考えています。そのような企業は選考の倍率も相当高いわけで、その選考に通る過程で「自分を実力以上に優秀に見せかけるテクニック」ばかりに関心が行ってしまいがち。僕自身、「就職活動で希望の就職先から内定をもらう」という短期的で近視眼的な目標にばかり目が行き、エントリーシートや面接、グループディスカッションといった小手先の技術を磨くことをしてしまっていました。
それとTMIという専攻の性質上、他の工学系の専攻(例えば電子工学、機械工学、航空宇宙工学など)と比較して確立された学問が存在せず、専門性に欠ける面があると思います。だから大学院2年間の過ごし方も、研究をしっかりと行って深い洞察力や専門性を身につけるというよりかは、いかに自分のやってきたことを面白く魅力的に見せるかというテクニックを磨く方向に走る傾向にあるのかなぁと思っています。
この本を読んで、今本当にやるべきなのは、20年後30年後という長期の視野に立って将来どんな状況に置かれても通用するケイパビリティを磨くことなんだなぁと痛感しました。マシン性能を磨くための四つの力のうち、僕自身が今最も身につけたいのは学習力です。以前の記事にも書いた通り、元IBM副社長の丸山さんも授業で同じようなことをおっしゃっていました。(http://d.hatena.ne.jp/fukudakitchou/20080607マーケティングファイナンスといった勉強する内容自体ももちろん大事ですが、それ自体は数年で廃れる可能性があるのだと思います。だからこそ「何かを新しく学ぶ時に効率的に学習する力」をいかにして身につけるかを意識しながら大学院での今後の勉強や研究に取り組んでいきたいと思いました。