いつまでもデブと思うなよ

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

一年間で50キロの減量に成功した、大阪芸術大学客員教授岡田斗司夫さんのダイエット方法を説明した本。

  • 見た目主義社会

社会の中で人間の一生を左右する判断基準は常に変わってきた。
明治時代の家柄主義社会から始まり、学歴主義社会、その人がどれだけの財力や自由になる時間を持っているかを重視するブランド主義社会へと移り変わり、現在は「見た目主義社会」になっている。
つまり、「見た目」とその人を見てどう思ったかの主観的な「印象」で他者を格付けする。
ダイエットはこの「見た目」を改善する上では、整形手術やファッションを磨くことと比べローリスク・ハイリターンの最も効率的な自己投資であると言える。

記録することによるダイエット。
このダイエットの特徴は、初めの段階は、毎日口に入れたもの全てをメモする、毎日同じ時間に体重を計りメモする、の二つを行うだけであり、食べることを我慢する必要はないということ。
それでも毎日体重変化と食事内容をメモするだけで、自分がどういう食事を食べたら体重が増えるかがわかり、無意識のうちに太る行動を避けるようになる。
体重が少しずつ減っていくにしたがい、しだいに食品のカロリーを意識し、一日のカロリー摂取量を1500キロカロリー以内に抑えるなどカロリー制限を行うようになる。
最終的には、空腹・満腹のサインに敏感になり、自在に自分の体をコントロールできるようになる。

見た目主義社会が到来していることは納得できる。(ただ、最近になって初めて到来したかは疑問。いつの時代も見た目は大事だと思う。)
お笑い芸人でも見た目のいい人がちやほやされるし、ビジネスの現場でプレゼンテーションするにしてもパワーポイントで見た目のデザインを凝る必要がある。
個人的にも、だらしなく太った人って自己管理ができてないんだなぁとか思ってしまうし、東大生でも見た目を全く意識していない野暮ったい感じの人は生理的に嫌だなぁって思うことがある。


また、僕自身はダイエットをするつもりはないが、レコーディング・ダイエットの考え方・思考法は大いに勉強になった。
つまり、自分自身を変えたい時は自分自身の行動パターン・習慣をまずは知ることが大事だということ。
日々のささいな出来事や悩み・思いをメモにして取り続け、自分自身をよく知ることから自分を変えようという考え方は、ダイエットだけでなく人生全般に応用が利くのかなと思った。